ナナメ横から世間を眺める。

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バイトのバカッター問題で、最も心を痛める人達。(後編)

どうも、ジヤッキー天野です。

 

前回は、バイトのバカッター問題で、最も心を痛める人達はノメリ込んでいる現役バイトの人、または過去にノメリ込んだ経験のある人だというお話でした。

 

バイトのバカッター問題で、最も心を痛める人達。(前編) - ナナメ横から世間を眺める。

 

で、ウチにもバカバイトがいやしまいか、アッシ左遷とか記者会見とかまっぴら御免の助でござい、とハラハラドキドキの現場管理職の皆様に、心ばかりのワンポイントアドバイスでございます。


まず、通り一遍の「皆さん気をつけましょう」的な動画を見せてハイ研修しました、的な奴。

あれは、企業のアリバイ作りとしてはともかく、実効性がほとんどないことは、教育研修の世界では随分前からすでに明らかになっている(自動車免許の更新講習を想起するとわかりやすかろう)。

ならば、どうするか。

ズバリ、


「バイトは、バイトにシメさせろ。」


である。

バイトにとって社員はアッチ側の人、体制側の人間である。×××な学校(自粛)の生徒と教師の関係に似たようなものだ。

バカバイトともなれば、ハナから言うことを聞かないか、面従腹背。これが世の必然である。

しかるに、「バイトのボス」の言うことは、聞くのである、これが

要は、バイトの中でプチ部活感ないしはプチサークル感を演出し、彼ら彼女らに自治させるのがよろしい。

リーダー候補は可能ならば1年生のうちからこれぞと見込んだ人に目星をつけて、帝王学を叩き込むのが望ましい。

とはいえ、やむなく現有バカ勢力の中からリーダーを選ばざるを得ないこともあろう。

その場合の人選基準は「対人影響力」に尽きる。いくら誠実で、いくら賢くて、いくら正義感があっても、話を聞いてもらえないことにはどうしようもない。多少トンパチな子でも、ここは目をつぶろう。

で一人だけ、こっそり呼び出す。

そして、褒めて褒めて、褒めちぎる。

かねがね、君の仕事ぶりは素晴らしいと思っていた。ありがとう。本当にありがとう。
今の職場は、君の力で持っている。
君なかりせば、我々はおしまいだ。
君との出会いは、計り知れない財産だ。
この職場は、いやこの会社は、君の双肩にかかっている…。

できればそこで、そっと時給を上げてあげるとよい。
ポイントは金額より「スペシャル感」である。バカバイト連中に砂漠に水を撒くが如く薄く広くバラまくより、遥かに効果がある。

いいかい、これは特別だよ。
君だけだ。
他の子には、内緒だよ。
絶っ対に、内緒だよ。

で、最後に一言添える。

他のバイト君達も頑張っているが、まだまだだ。
君に比べれば、どうしても見劣りしてしまうんだ。
君は別格だ。
是非、彼ら彼女らの手本としてこれからも頑張ってくれ。
君の背中を、見せてやってくれ。

君が頼りだ。頼む。



で、職場に戻す。

同時に、密会の事実は伏せつつ、みんなの前で盛大に持ち上げるようにする。

いいねー。
やるねえー。
気が利くねえー。
凄いねー。
おっと、君なら仕方ないや、ドンマイだ。
なるほどその手があったか。
ははあ流石だねー、先生。

でもって、チラリと目配せをする。


ハナから上手くいく場合もある。

皆の前でちょっと甲斐甲斐しく働くようになったり、「それダメだよー」なんて仕切り出したらヨッシャキター、である。

(ちなみに呼び出した時点で「いやぁアイツは・・はいいとこあるんすけど、・・がイケてないんスよねー」なんて査定モードに入ってくれたら、八割方勝ったようなものだ。)


他方、そう上手くいかない場合もある。
なんかお前、最近スカしてんじゃね?などと言われ、浮いたりハブられそうになったりすることもある。

その場合は、もう無理ですと泣きついてきたタイミングで、また持ち上げて持ち上げて、持ち上げまくる。


この職場は、いやこの会社は、君の双肩にかかっている。
君が頼りだ。頼む。

これを辛抱強く、繰り返す。

で、なんとなくバイト全体の動きが変わってくれば、完成と考えてよい。当人にリーダーらしき風格が出てくればなおよし。

あるいは、どうしようもない腐ったミカン野郎がぐあーもう付いてけねーやってらんねーなどと吐き捨てて去って行ってくれれば、最高である(ヤバい奴は人材ではなく人罪だ、などとよくいうが、人罪を抱えておくヤバさは逆プライスレスであり、それに比べれば人手不足など訳もない)。

ひとたびリーダーっぽい人物が現れたら、あとは当人達で代替わりさせればよい。リーダーはリーダーが選ぶ。一子相伝。きっと社員も知らない組織運営の奥義が伝承されていくことだろう。

まぁ突き詰めればよくある経営学のモチベーション系の話だよね、ってことになるのだが、なにしろタダの言葉と少しばかりの時給で職場が変われば、コスパ的には申し分なかろう。是非無理のない範囲でお試しいただきたい。

※個人の見解であり、確実に成功することを保証するものではありません。結果は自己責任で。御利用は計画的に。